古民家の玉石基礎を補強する方法
2023/06/28
現代とは異なる独特な構造を持つ古民家は、家の土台となる基礎の部分でもその違いが顕著になります。
古民家が建設された当時は現代のようにコンクリートがなかった時代ですので、その基礎に石を使っているのが特徴です。
これは「玉石基礎」と呼ばれる構造であり、耐震性の面からは多くの懸念点が挙げられます。
そこで今回は、古民家の玉石基礎を補強する方法についてご紹介します。
□古民家によくある玉石基礎の脆弱性
古民家ならではの建築方法である「玉石基礎」では、地面に土台となる石を埋め込み、その上に木材の束を組んで家を支えています。
冒頭にて、玉石基礎には耐震性の面から懸念点があると申し上げました。
では地震に弱いのかと問われれば、決してそうではありません。
古民家の構造は現代のように耐震性を重視していたのではなく、地震による揺れを逃がす「免震」を重視していたからです。
事実、古民家に多い玉石基礎では、石の上の木材が揺れるようになっています。
とはいえ弱点がないというわけではなく、石が1つ1つ独立しているが故に「ずれ」が生じてしまう恐れも指摘できるのが現実です。
また、劣化によってダメージが大きい場合も多く、現行の耐震基準を満たすためにも、古民家をリフォームする際には基礎補強が欠かせません。
□玉石基礎の補強方法
玉石基礎の補強をする際の工程は、以下のようになります。
1.土間に砕石を敷いて圧をかけ、地盤を強化する
2.湿気を通しつつ、水滴を防ぐ透湿防水シートを敷く
3.鉄筋を配置して組む
4.コンクリートを流し込む
玉石基礎の補強で大切なのが、1つ1つ独立している石を一体化させること、そして土壌からの湿気を防いで腐食を回避することの2つです。
特に古民家は基礎と地面との間が近く、土壌からの湿気の影響を受けて腐食が進んでいるケースが多くあります。
その対策のために、コンクリートによる補強とあわせて防水シートを敷くのが一般的です。
玉石基礎を補強するためには、床を全て剥がして土の表面を一定量取り除く必要があります。
フルリフォーム規模の大掛かりな工事になりますので、仮住まいが必要になる点に注意してください。
□まとめ
古民家によくある「玉石基礎」は免震構造になっており、現行の耐震基準を満たしていません。
劣化なども考えると基礎補強の工事が必須であり、玉石基礎ならではの弱点をカバーする必要があります。
玉石基礎の補強工事はかなり大掛かりになりますが、これからも安全に住み続けるためにも行っておきましょう。
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